先日「デスマーチ」という単語が会話の中で出てきましたが、そもそも「デスマーチ」とはどういう意味なのでしょうか。
↓↓↓「デスマーチ」が少し話題に上がった記事は以下から↓↓↓
実際に経験し、生還してきた”サバイバー”としての立場から「デスマーチ」とはなんなのか、どのような状況なのかを解説していきます!
IT業界における「デスマーチ」とは
「デスマーチ」(death march)を直訳すると「死の行進」。
厨二病チックな単語でちょっとカッコ良いですね(笑)
いやいや、そんな笑ってもいられない、というか実際は全く笑えない状況なのです。
主にシステム開発プロジェクトの現場を表現する言葉で、過酷な労働環境を余儀なくされるような現場に対して言われる言葉です。
同じような意味として使われる言葉で”プロジェクトが炎上している”という言い方もあります。
「炎上プロジェクト」などの言葉も耳にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
「デスマーチ」の意味・定義
デスマーチにはちゃんとしたデスマーチと認められる基準があるようです。
その基準は「デスマーチ」という言葉を広めた人物であるエドワード・ヨードンが著書の中で定義しているもので、以下の4つの基準に該当するものとされています。
ちゃんとした定義があるとは僕も知りませんでした。
「デスマーチ」に陥る原因
それではそんな過酷な現場であるデスマーチに陥ってしまう原因とはなんなのでしょうか。
一般的にデスマーチが起こってしまう原因は以下のいずれかであると言われます。
- 納期までの作業期間が短い
- 作業するメンバーが絶対的に少ない
- メンバーのスキル不足
- プログラム修正の連続
- 仕様変更の多発
上記のような状況が重なって起きた場合、デスマーチになる可能性はどんどん上がっていきそうですね。
また、単純に上記のような原因となるような懸案事項がなかったとしても、そもそもプロジェクト体制が先にあげたようなデスマーチの定義に当てはまるものだった場合は結局過酷な労働を余儀なくされることになるでしょう・・・
しかし、プロジェクトマネジメントの段階で防ぐことができるような問題であれば、なんとか事前に不安な芽は摘んでおきたいものです。
「デスマーチ」と化した現場の特徴
それでは次に実際にデスマーチと化してしまった現場はどのような状況になってしまうのか、その特徴を見ていきましょう。
終電までやるは当たり前
デスマーチ発令下では基本的に物理的に作業できる時間までやるのが当たり前になってしまいます。
そのため、その人の家に帰れる終電まで作業するのが当たり前になります。
終電前なのに帰ろうとすると、「今日どうした?」と早く帰る理由を聞かれるということにもなり得ます。
昨今の働き方改革が提唱されている世の中では、考えられませんね。
終電に乗るために職場から駅まで走って帰ってた頃が懐かしい。
休日という概念が消える
ここまで読み進めていただいて、デスマーチを理解してきた方ならもう想像できると思いますが、当然のように「休日という概念」が消え去っていきます。
やらないと終わらない。終わらせるためにはやるしかない。ということは休むなんてもってのほかだよね、という空気がプロジェクト全体に蔓延している状態です。
じょのさんも1ヶ月半くらい連勤してましたよね
そうだね・・・
そんな時期もあったな。
「デスマーチ」の打開策
打開策として考えられるものはどのような策なのでしょうか。
現実としては「とりあえずやるしかない」
打開策その1は「とりあえずやりきる」です。
というか”打開策”と言えるか、微妙ですね。
この考え方はあまりおすすめはできないのですが、プロジェクトには納期があるので、”システムのリリースまで”などの期限付きであれば、その期間は割り切って乗り切るというのが、多くの人が実践する方法かと思います。
かくいう、僕とじょのさんも”とりあえずやりきる”でいきました。
まあ、これって「策」でもなんでもないですね。簡単にいうと無策です。(笑)
忙しさの波はありましたが、本当にキツかった時期は3〜4ヶ月ほどだったと思います。
身体や心を壊す前にプロジェクトを変えてもらう(もしくは転職する)
打開策というか、そのプロジェクトの改善ではないのですが、個人としての対応としては時として”やりきる”よりも”自分を守る”方が大切です。
デスマーチの現場や、その後のメンバーの不調を知っているからこそ、本当にぶっ壊れてしまうことになるリスクがあるのであれば、そもそもの環境を変えた方が良いです。
心は一度壊してしまうと、完治はしませんからね。(メンタルを壊した先輩に言われた言葉です)
過去に一度メンタルを壊してしまった経験のある先輩からは、頑張って働い久野は良いけど、「身体を一番大事にして」いうことを常々言われていました。
そのため、本当に壊れる可能性があるなら、立ち向かう必要はないですよ。
「デスマーチ」の後遺症?鬱との関係性
ここまではデスマーチがどのような状況であるかということや、デスマーチからの抜け出し方という観点をご紹介してきました。
しかし、それらはまだ本当の終わりではありません。
過酷な労働環境を強いられてしまった作業者たちに起こる身体や心の変化について解説します。
「デスマーチ」の終わりが本当の終わりではない
本当の終わりではないとはどういうことなんだ、と思った皆さん。
経験してみないと、なかなか分からない視点かもしれません。
過酷な労働を常態的に行った後には、必ずその反動が心的もしくは身体的に起こります。
身の回りで見てきたところで多かったのは、
- 睡眠障害
- 鬱
- 突発性難聴
- 燃え尽き症候群によるやる気の喪失
上記のような症状です。
そして、突発性難聴はじょのさん、燃え尽き症候群は僕(あいちゃん)ですね(笑)
残業時間が落ち着いてきて、忙しくなくなってきたにもかかわらず、身体や心の不調が治らないということになります。
退職者多数!?の「デスマーチ」後の職場
さらにここからは身の回りの実体験が多めなので、そこまで詳細に記載するのは避けますが、
メンタルの不調で会社にこれなくなり、その流れで会社を離れたプロジェクトメンバーが複数いました。
さらに、無事プロジェクトを乗り切ったメンバーも数年のうちに転職したものが多数います。(僕やじょのさんもそうですが)
もしかしたら、その頃の開発メンバーのほとんどはもう社内に残っていないかもしれません。
そのように過酷な労働を余儀なくされるデスマーチは、その期間だけではなく、長期的に様々な面で悪影響を及ぼしていきます。
番外編:「デスマーチ」と同義の表現
炎上プロジェクト
個人的には「デスマーチ」よりも馴染みがある言葉に「炎上プロジェクト」があります。
基本的にはデスマーチとほぼ同じ意味の言葉として使用していました。
「あのプロジェクト炎上気味らしいぞ」などというように使ったりしてました。
”はしゃいでいる”
これは一般的には通じないと思うので、完全にネタ枠なのですが、個人的には好きな言い方です。
以前僕が働いていた会社の仲の良い先輩が使っていた言い方ですw
納期がやばくなり、デスマーチ状態のプロジェクト(もしくはメンバー)に対して「あそこはかなりはしゃいでるらしい」などの使い方をします。
個人的に好きな表現だったので、数年経った今でも覚えていました。
(※決して働いている人たちを馬鹿にしている表現ではないですよ!)
長時間残業をし続けると、どこかランナーズハイのような状態に陥って、別にキツくないんじゃないかって感じる時があるんですよね。
そのような、心理的状況を的確に表現できているのではと個人的には思っている表現でもあります。
経験者からみた「デスマーチ」の実際の状況・打開策について
表現の仕方は様々ありましたが、一般的に「デスマーチ」と言われるような、過重労働の現場について色々知ってもらえたのではないかと思います。
一つ言えるのは「そのような経験はしないに越したことはない」ってことですかね。
会社の状況や転職などによって、そのような状況に陥ってしまう可能性はゼロではないかと思いますので、考え方や立ち回り方など参考にしていただけたらと思います。
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